【第2回】資格をとるには?

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〜スクールトレーナーになるためのステップと学び〜


■「どうやったらスクールトレーナーになれるの?」

前回の記事では、スクールトレーナー制度の概要とその必要性についてお話しました。
今回は、実際にこの資格を取得するにはどうすればよいのか?という具体的な話です。

私自身、今まさにこの制度にチャレンジしようとしているところ。
この記事では、受講資格や講習の中身、倍率、かかる費用まで、リアルな情報をまとめました。


■まず前提:スクールトレーナーは「理学療法士」限定

現在の制度では、スクールトレーナーとして認定を受けられるのは、理学療法士の国家資格を持つ人に限られています。
保有しているだけでなく、「現在もその資格を有効に保持していること」が条件です。

つまり、医療職として実務経験がある前提で、教育現場に関わる専門性を養うという位置づけです。


■資格取得の流れ

実際のステップは以下のとおりです。

STEP1|応募(一般募集 or 推薦枠)

  • 年に1回程度、受講者募集が行われます。
  • 募集人数は全国で約120名。うち、都道府県ごとに推薦枠も設けられています。

STEP2|eラーニング受講(基礎講習:30単位)

  • オンラインでの学習(1単位=60分 × 30単位)
  • 内容は、学校教育制度、運動器の基礎知識、子どもへの接し方、学校保健安全法など多岐にわたります。

STEP3|対面講習(2日間:10単位)

  • 実際に会場に集まり、グループワークや実技講習も含まれます。
  • 学校現場に即した対応や他職種との連携について学びます。

STEP4|認定試験(講習後に実施)

  • 講習内容に関する筆記試験に合格すると、正式に「認定スクールトレーナー」となります。

■受講料と期間は?

  • 受講料:40,000円
  • 登録料:10,000円(5年間有効)

費用としては決して安くはありませんが、学校支援や地域活動に興味のある理学療法士にとっては十分に価値のある学びだと私は感じています。

ちなみに、第1回募集(2024年)の一般応募は倍率15倍以上とも言われています。
関心の高さと、制度への期待の大きさがうかがえますね。


■どんなことを学ぶの?

カリキュラムの中で特に印象的なのは以下のようなテーマです。

  • 子どもの運動器の発達とリスク
  • 学校現場での観察ポイント
  • 怪我の予防と姿勢指導の実際
  • チーム学校としての連携のあり方
  • 保護者との関係づくり、啓発活動の方法

学校と医療をつなぐ架け橋としての視点が求められる、と感じました。
これはまさに、これからの地域支援や学校保健における「新しい理学療法士像」とも言えるのではないでしょうか。


■資格をとって終わりじゃない。ここからが始まり。

この制度はまだ始まったばかりで、全国にスクールトレーナーが配置されているわけではありません。
でも、だからこそ今、動き出す価値があると思っています。

制度を知り、資格を取り、地域の中で“子どもの体を守る専門職”として活動していく。
私自身も、そんな第一歩を踏み出していきたいと考えています。


■次回は「現場での実践事例(島根県)」をお届け

第3回では、スクールトレーナー制度がモデル的に展開されている島根県の実践事例を紹介します。

参考サイト

公益財団法人 運動器の健康・日本協会
 https://www.bjd-jp.org/trainer
 ※制度概要、資格取得条件、設立経緯など
山陰中央新報(島根県での取り組み報道)
 https://www.sanin-chuo.co.jp
 ※資格取得者が活動する様子、地域のモデル事業紹介

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