年齢で見る「運動の育ち方」|どの時期に何を身につける?
「何歳で何ができるようになるの?」と悩むあなたへ
「うちの子、6歳だけどスキップがまだできない…」
「8歳なのにボールをうまく投げられないのはなぜ?」
そんな保護者の悩みは、運動の“発達段階”を知ることで整理できるかもしれません。
今回は、運動発達の権威D.L.ギャラヒューの理論をもとに、年齢ごとの発達ステージと、育てたいスキルの目安を紹介します。
運動スキルは段階的に育つ|4つの発達段階
運動スキルは以下のような4つの段階に分類されます(Gallahue, 1995)。
発達段階 | おおよその年齢 | 特徴 |
---|---|---|
反射的・初歩的段階 | 0~2歳ごろ | 反射や基本的な動き(寝返り・立ち上がりなど) |
基礎的な運動段階 | 2~7歳ごろ | 歩く・走る・跳ぶ・投げるなど基本スキルの基盤が育つ |
専門的な運動段階 | 7歳ごろ~ | 応用的なスキル(ボール操作・ルールある運動など)を学ぶ |
生涯的な活用段階 | 12歳ごろ~成人 | 競技やレクリエーションとしての運動スキルの発展 |
年齢ごとの発達目安|いつ・なにを身につける?
ここでは、一般的な発達の流れとして、ギャラヒューの理論をもとに年齢別の目安をまとめます。
年齢 | 身につけたいスキルの例 |
---|---|
2〜3歳 | 歩く、走る、簡単なジャンプ |
4〜5歳 | 両足ジャンプ、スキップのまね、ボールを投げる |
6〜7歳 | スキップ・ギャロップ、跳び箱、簡単な球技 |
8〜10歳 | キャッチボール、リズミカルなダンス、ルールあるゲームなど |
※あくまで目安です。実際の発達には個人差があります。
「うちの子、遅れてる?」と心配する前に
発達の目安にピッタリ当てはまらなくても、焦る必要はありません。
子どもにはそれぞれ得意・不得意や発達のスピードがあります。
大切なのは、「この時期に育ちやすい力」を知っておくこと。
そうすることで、その子の“今”に合った運動や遊びを選びやすくなります。
おわりに|運動発達に大切な「環境」と「経験」
どんなに素晴らしい理論があっても、運動スキルは環境と経験があってこそ育ちます。
- 家の中で体を動かす機会があるか
- 友達と一緒に走ったり跳んだりする時間があるか
- 「やってみよう」と思える体験があるか
運動が得意・不得意を分けるのは、生まれつきだけでなくその子を取り巻く環境かもしれません。
参考文献
- D.L. Gallahue & J.C. Ozmun『Understanding Motor Development』
- 『幼少年期の体育―発達的視点からのアプローチ』大修館書店