柔軟性や可動域が乏しい子へのストレッチ支援

遊びながら“ほぐして伸ばす”やさしい体づくり

「前転するときに背中が真っ直ぐで丸まれない」
「跳び箱のときに腕が伸びずにうまく跳べない」
「動きがカクカクして、なんだか体が硬そう」

このように“動きのぎこちなさ”を感じる子ども、最近増えていませんか？
その背景には、関節の可動域の狭さや筋肉の柔軟性の不足があることも多いです。

体がうまく動かないと、失敗しやすくなり、「怖い」「できない」といった気持ちにもつながってしまいます。
今回は、無理なく遊びながらできる“柔らかい体づくり”の工夫をご紹介します。

関節の可動域が狭いと、十分に動作を引き出せず、動きが小さく・固くなってしまいます。
前転や後転、スキップなどの「大きな動き」では特に差が出やすいです。

体が動きにくいと、反動がうまく使えず、リズムがズレて失敗の原因になります。

「体がうまく動かない」という経験が続くと、「できない」と思い込みやすくなり、挑戦自体を避けるようになることも。

柔軟性が乏しい状態で無理に動くと、関節に負担がかかってケガにつながることもあります。

① ごろん寝転びストレッチ

② トンネルくぐり

③ 動物歩きあそび

股関節：あぐらでゆらゆら

背中・体幹：ボールに乗ってゆらゆら

肩まわり：おててバンザイ・タオル引っ張り

ストレッチは“やらされ感”があると続きません。
「ちょっとだけ頑張ってみようか」「気持ちよく伸ばすだけでいいよ」など、ゆるい目標設定で十分です。

ストレッチは痛みを感じると逆効果です。
他の子と比べる必要はありません。「昨日よりちょっと伸びたね」が大切。

柔軟性は、運動の技術以前に**体をスムーズに動かす“下地”**です。
背中が丸くなれば前転がしやすくなり、股関節が開けば跳び箱で足が開きやすくなります。

「運動の前に少し伸ばす」「朝の支度のときに1回だけ」など、生活の中に“ちょこっとストレッチ”を取り入れて、自然に体をほぐしていきましょう。

やわらかくなるほど、子どもは「できた！」の世界に一歩ずつ近づいていきます。