「ボール投げが苦手…」と悩んでいませんか?
ボールを投げる動作は、ただ腕を振るだけではありません。体全体を連動させ、適切なフォームや動作感覚を身につけることで、誰でも遠くへ投げられるようになります。
本記事では、投げる動作の基礎から競技ごとの応用トレーニング、さらには感覚統合の視点を取り入れた投球力向上メニューを紹介します。
✔ 投げる動作を正しく学びたい!
✔ 運動が苦手でも遠くへ投げられるようになりたい!
✔ 競技ごとの投球スキルを磨きたい!
そんな方に役立つ内容になっていますので、ぜひ最後までお読みください!
1. 投げる動作の基礎

ボールを遠くへ投げるためには、正しいフォームと体の使い方が重要です。
投げる動作は、以下の3つのポイントを意識することで向上します。
① 体重移動の感覚をつかむ
投げる動作は、足→体幹→腕→指先と力を伝えていく運動です。
特に、後ろ足から前足への体重移動が重要になります。
✔ 正しい動作:後ろ足で踏み込みながら前足に重心を移し、上半身をひねる
✖ NG動作:上半身だけの力で投げる(肩や肘を痛める原因に)
② スナップを使って投げる
手首のスナップを使うことで、ボールに回転を加え、より遠くまで投げることができます。
✔ タオルエクササイズ:タオルの端を持ち、しなるように振るトレーニングがおすすめ
③ ステップを活用する
助走をつけることで、より力強い投球が可能になります。
✔ ステップ練習法:「カニ→ボルト→足→ひねる」の口伴奏を使って動きを習得
横移動(カニ) 🦀
まず、横向きに移動する感覚を身につけます。
カニのようにサイドステップを踏むことで、スムーズな体重移動を意識します。
力をためる(ボルト)⚡
陸上のウサイン・ボルト選手のポーズをイメージしながら、腕を大きく引いて力をためます。
この姿勢で、後ろ足にしっかり体重を乗せることがポイントです。
足を踏み出す(ステップ)👣
体のひねりと同時に、前足を大きく踏み出します。
このステップがスムーズにできると、より強い投球につながります。
体をひねる(スイング)🔄
腰を回転させながら、腕を前方に振り抜きます。
2. 競技ごとの投げ方と体の使い方

スポーツによって求められる投球動作は異なります。
競技 | 特徴的な投げ方 | 重要な要素 |
---|---|---|
野球 | オーバースロー・サイドスロー | 肩の可動域・リリースのタイミング |
バスケットボール | チェストパス・オーバーヘッドパス | 正確なコントロール・瞬発力 |
砲丸投げ | プッシュスロー | 下半身の踏ん張り・体幹の強さ |
感覚統合を活かした応用トレーニング
感覚統合の視点から、投げる動作をさらに向上させるためのトレーニングを紹介します。
① 空間認知を鍛えるトレーニング
投げる方向や距離を正確に把握するには、視覚と体の感覚を連携させることが重要です。
✔ ビジョントレーニング:的当てゲーム(フープやコーンを狙う)
② バランスを強化するトレーニング
投げる際の体のブレを防ぐためには、軸の安定がカギになります。
✔ バランスボード投球:バランスボードの上でキャッチボールを行う
③ 触覚を活かしたトレーニング
ボールの握り方やリリースの感覚を養うためには、異なる質感のボールを使うと効果的です。
✔ ボールチェンジキャッチ:ドッジボール・テニスボール・新聞紙ボールなどを交互に使用
3. 感覚統合の視点から投げる動作を分析

投げる動作は、視覚・前庭感覚・固有感覚が密接に関係しています。
① 視覚の統合
ボールの位置や距離感を把握し、適切な力加減で投げるために必要。
トレーニング :「動くターゲット」を使った投球練習
目的:
ボールの位置や距離感を正しく把握し、目で見た情報をもとに正確に投げる力を鍛える。
やり方:
- 的を設定
- まず、壁に大きなターゲット(紙やボードなど)を貼る。
- もしくは、キャッチ相手がミットを持って動く形でもOK。
- 的を動かす
- 誰かにターゲットを左右にゆっくり動かしてもらう。
- もし1人なら、風で揺れる紙の的や、自動で動くおもちゃなどを利用。
- 狙いを定めて投げる
- 的の動きを目で追いながら、適切なタイミングで投球。
- 最初はゆっくり動く的で練習し、慣れてきたら少し速くして難易度を上げる。
- 成功率を上げる工夫
- 的を大きくして簡単なレベルから始める。
- 的の動きを予測しながら投げる練習を繰り返す。
ポイント:
距離を調整しながら、無理のない範囲で練習を進める。
ただ闇雲に投げるのではなく、目でしっかり的を追い、狙いを定めて投げることが大切。
② 前庭感覚(バランス)
投げる際の重心移動や体のブレを防ぐために不可欠。
トレーニング例:「片足バランス投球」— 片足立ちで投げることで、体の軸を意識
目的:
投げる際の重心移動をスムーズにし、体のブレを防ぐことで安定したフォームを身につける。
やり方:
- 準備: まずは普通に立った状態で、投げるフォームを確認。
- 片足立ち: 軸足(投げる側と反対の足)を地面につけ、もう片方の足を軽く浮かせる。
- バランスをとりながら投げる: 片足で立ったまま、ゆっくりと投げる動作を行う。
- 最初は軽くボールを投げるところから始める。
- 慣れてきたら少し距離を伸ばして遠投に挑戦。
- 難易度アップ:
- レベル1: 静止した状態で片足立ち投球
- レベル2: 軽くジャンプして片足で着地 → そのまま投球
- レベル3: 不安定な場所(クッションやバランスボードの上)で片足立ち投球
ポイント:
最初は短い距離で練習し、徐々に遠くへ投げられるように調整。
軸がブレないように、お腹に力を入れて体幹を意識する。
足を上げすぎるとバランスが崩れるので、自然な姿勢で安定する位置を探す。
③ 固有感覚(筋肉の使い方)
ボールを投げる際の適切な力加減やフォームを体に覚えさせる。
トレーニング例:「目隠し投球」— 目を閉じて投げ、体の感覚だけでボールをコントロール
目的:
視覚に頼らず、体の感覚(筋肉の使い方)だけで正しいフォームを身につける。
やり方:
- 準備: いつも通りのフォームで投げる動きを確認。
- 目を閉じて投げる:
- 目を閉じた状態で、体の感覚を頼りにゆっくりボールを投げる。
- 最初は短い距離(3〜5m)でキャッチボールを行う。
- 力加減を調整:
- ボールの距離や方向がずれないように、投げる瞬間の腕の動きや指の感覚を意識する。
- 何度も繰り返し、力の加減やフォームを体に覚えさせる。
- 難易度アップ:
- レベル1: 目を閉じたままボールを軽く投げる(近距離)
- レベル2: 目を閉じたまま正確にキャッチボール(中距離)
- レベル3: 目を閉じた状態でステップを入れて投球(遠投)
ポイント:
最初は壁やネットを相手にすると、安全に練習できる。
最初はゆっくりとした動作で行い、体がどのように動いているかを感じ取る。
視覚を使わずに筋肉の感覚でフォームを整えることで、無駄な力を抜きつつ、効率的な投げ方が身に
つく。
4. 個別トレーニングメニュー
感覚統合を取り入れた投球トレーニングを年齢別に紹介。
対象 | トレーニング内容 | 狙い |
---|---|---|
幼児〜低学年 | 風船投げ・新聞紙ボール投げ | スナップの感覚を養う |
中学年 | 的当てゲーム・助走付き遠投 | 空間認知力と体重移動を強化 |
高学年〜中学生 | 競技別投球トレーニング | 競技特有の投げ方を身につける |
まとめ
ボール投げの動作は、正しいフォームと全身の連動、さらには感覚統合の視点を取り入れることで、大きく向上します。基礎を固め、競技ごとの応用スキルを磨きながら、感覚統合を活かしたトレーニングを取り入れることで、よりスムーズで力強い投げ方を習得できます。
「投げる力」は単なる運動能力ではなく、脳と身体をつなぐ重要なスキルのひとつ。今回紹介したトレーニングを継続的に実践し、成長を実感しながら楽しんで取り組んでみてください!
参考文献・参考サイト
📌 文部科学省 – 学習指導要領 体育編
👉 https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/youryou/tyuu.htm
📌 日本体育学会 – スポーツ科学と運動学習
👉 https://www.jpess.org/
📌 感覚統合と運動発達に関する論文・研究
👉 https://journals.sagepub.com/home/oti
📌 動作感覚トレーニングに関する資料
👉 https://www.jstage.jst.go.jp/browse/jjpa/-char/ja)