〜学校に“体の専門家”がいる時代が、はじまります〜
■「学校に理学療法士が来てくれるって…知ってましたか?」
最近、「スクールトレーナー」という新しい制度が動き始めました。
まだ聞き慣れない言葉かもしれません。でも、これは間違いなく、これからの子どもたちの“身体”を支える大きな一歩だと思うのです。
私は理学療法士としてこの制度に関心をもち、今後、この資格を取得する予定です。
このブログでは、そんなスクールトレーナーの全貌を、5回にわたってじっくり掘り下げていきたいと思います。
■「スクールトレーナー」ってどんな人?
一言でいうと、**子どもの体の健康をサポートする“学校の外部専門家”**です。
心のケアをするスクールカウンセラーがいるように、体のケアを担うのがスクールトレーナー。
この制度は、2024年から本格的にスタートしたばかりで、まだ全国的にも導入はごく一部。
ですが、文部科学省も制度化を進めており、将来的には各学校に配置される流れができつつあります。
対象となるのは、国家資格を持った理学療法士(PT)。
“病院から学校へ”という、新たなフィールドでの活躍が期待されています。
■なぜ今、この制度が必要とされているのか?
現代の子どもたちは、運動能力の「二極化」が進んでいます。
- 運動する機会が少ない → 体力の低下や姿勢の崩れ
- 激しいスポーツをしている → オーバーユースによる怪我や障害
さらに、小中学生のケガの件数は年間50万件以上。
こうした課題を予防・改善するために導入されたのが、スクールトレーナー制度です。
すでに2016年から始まった「運動器検診」も、制度化の土台となりました。
しゃがめない、片足で立てない…そんな子どもたちの身体の変化が、学校現場でも問題視されてきたのです。
■スクールトレーナーが学校でしていること
実際にスクールトレーナーが学校で行っている支援は、以下のようなものです。
- 保健室での姿勢指導・柔軟体操
- 体育や部活におけるケガ予防のアドバイス
- 運動器検診の評価やフォロー
- 教員や養護教諭との連携
- 必要に応じて医療機関への橋渡し
たとえば島根県では、すでにモデル事業として、
柔軟体操や成長痛へのアドバイスを通して、子どもと直接関わる支援が行われています。
私も今後、こうした実践に関われるよう、資格取得を目指していきます。
■次回は「資格取得の流れ」について
次回は、実際にスクールトレーナーになるにはどうすればいいのか?
どんな講習があるのか、費用やスケジュールはどうか?
そして、今のうちに準備しておきたいこととは?
資格取得を考えている理学療法士の方にも、
学校現場での支援に関心のある方にも、役立つ情報をまとめていきます。
第2回 資格取得の流れ↓↓
【第2回】資格をとるには?
参考サイト
公益財団法人 運動器の健康・日本協会
https://www.bjd-jp.org/trainer
※制度概要、資格取得条件、設立経緯など
山陰中央新報(島根県での取り組み報道)
https://www.sanin-chuo.co.jp
※資格取得者が活動する様子、地域のモデル事業紹介