なぜ今「手作り平均台」がおすすめなのか?
「体育の平均台が怖くて止まってしまう」「ふらついて前に進めない」「落ちるのが怖くて泣いてしまう」――そんな子どもの姿に、どう関わればいいのか悩む保護者の方は少なくありません。
実は、平均台が苦手な理由は運動神経の良し悪しではないことがほとんどです。多くの場合、
- 高さが怖い
- 足場が硬くて失敗=痛い体験になる
- 一度の失敗で「もうやりたくない」気持ちが強くなる といった、環境と感覚のミスマッチが原因になっています。
学校や体育館で使われる平均台は、子どもの発達段階によってはハードルが高すぎることもあります。特に、前庭覚や固有受容覚が発達途中の子にとっては、「細くて高い」「落ちたら痛い」という条件だけで、恐怖心が先に立ってしまうのです。
そこでおすすめしたいのが、100円均一で手に入るプールスティックを使った手作り平均台です。高さがほとんどなく、柔らかく、安全性が高いため、運動が苦手な子や怖がりな子でも「やってみようかな」と思いやすい環境を作ることができます。
この手作り平均台は、単なる代用品ではなく、
- 室内でできる
- 子どもの発達段階に合わせて調整できる
- 失敗しても怖くない という点で、家庭だからこそできる支援ツールになります。
平均台遊びで育つ3つの力【感覚統合の視点】
平均台遊びは、ただバランスを取る練習ではありません。感覚統合の視点から見ると、子どもの「からだの土台」を育てる大切な遊びです。
① 前庭覚|揺れや傾きに慣れる力
前庭覚は、体の傾きやスピード、上下の動きを感じる感覚です。平均台の上を歩くことで、 「今、体はどれくらい傾いているか」「どう修正すれば倒れないか」を自然に学んでいきます。
プールスティックはほどよく不安定ですが、高さがないため恐怖心が少なく、前庭覚をやさしく刺激できます。怖がりな子にとって、この“安心感のある揺れ”がとても重要です。
② 固有受容覚|踏ん張る・支える力
固有受容覚は、筋肉や関節を通して「力の入れ具合」「体重のかけ方」を感じる感覚です。平均台では、足裏で支え、バランスを取りながら進む中で、 「どれくらい力を入れればいいか」を体で覚えていきます。
プールスティックの柔らかさは、足裏への刺激にもなり、力の調整が苦手な子にとって良い練習になります。
③ 身体図式|自分の体をイメージする力
身体図式とは、「自分の体が今どこにあり、どう動いているか」をイメージする力です。平均台のような細い足場では、足の位置や体の向きを意識する必要があり、身体図式が育ちやすくなります。
「足がはみ出ていないかな」「次はどこに足を出そうかな」と考える経験が、運動全般の基礎になります。
プールスティック簡易平均台の作り方(室内向け)
① プールスティックを半分に切って使用する
まず最初に行うのは、プールスティックを縦に半分に切ることです。
円柱のままでは転がりやすく、不安を感じる子には難易度が高くなります。

半分に切ることで、
- 床との接地面が広がる
- 横に転がらない
- 見た目にも「安定している」と感じやすい
といったメリットがあり、平均台遊びの導入として最適です。
特に、
- 運動が苦手な子
- バランス遊びが怖い子
- 慎重な性格の子
には、必ず半分カットから始めることをおすすめします。
② プールスティックを床に置く
切ったプールスティックは、床にそのまま置くだけでOKです。
高さを出す必要はありません。
平均台=高い、という大人のイメージは一度捨てて、
「乗れるかどうか」より「乗ってみたいかどうか」を大切にしましょう。

床置きでも、十分に
- 足裏感覚
- 体の重心移動
- バランス調整
を引き出すことができます。

バランスで大事な感覚は足の裏にあります。足の裏には感覚センサーがたくさんあるのでそこを刺激することが大切です。そのため、裸足で行うと効果的です。
③ 滑り止めシートを下に敷く
プールスティックは軽いため、ズレ対策は必須です。
- 100円均一の滑り止めシート
- キッチン・棚用の滑り止め
を、必ずスティックの下に敷きましょう。
ズレる感覚が一度でもあると、
「怖い」「やりたくない」という気持ちが強くなってしまいます。
④ マットの上に設置する
さらに安心感を高めるために、
- ヨガマット
- プレイマット
- 布団
の上に設置するのがおすすめです。
実際に落ちる可能性が低くても、
「落ちても痛くなさそう」という予測が
子どもの挑戦意欲を支えます。
⑤ 安全チェックポイント【必ず確認】
遊び始める前に、次の点をチェックしてください。
- スティックがしっかり床に接しているか
- グラつきやズレがないか
- 周囲に硬い家具や角がないか
室内遊びでは、
「失敗させない」より「失敗しても大丈夫な環境」
を作ることが大切です
年齢・レベル別|プールスティック平均台の遊び方5選
① またいで歩く(怖がる子向け)
最初は「渡る」必要はありません。またぐだけでも十分な練習になります。
② 両手を広げてゆっくり歩く
飛行機のポーズは自然と姿勢を整えてくれます。
③ 途中で止まってみる
止まる動作は、バランス調整力を高めます。
④ 物を持って渡る
ぬいぐるみやボールを持つことで、体幹が働きやすくなります。
⑤ 目線を前に向ける工夫
壁にシールを貼ったり、ぬいぐるみを置くことで姿勢が安定します。
平均台が怖い・ふらつく子への声かけと関わり方
「がんばれ」が逆効果になることも
怖さが強い子にとって、「がんばれ」はプレッシャーになることがあります。
安心感を高める関わり方
- すぐ横に立つ
- いつでも手を差し出せる位置にいる
- 落ちても大丈夫と伝える
成功体験を積みやすくする声かけ
「1歩進めたね」「さっきより安定してたよ」など、できた事実を伝えましょう。
安全に遊ぶための注意点【家庭用平均台】
- 周囲に障害物を置かない
- 兄弟で遊ぶ場合は順番と距離を決める
よくある質問(FAQ)
Q1. プールスティック平均台は何歳から使えますか?
目安は3歳頃からです。怖がる場合はまたぐ遊びから始めましょう。
Q2. 毎日やったほうがいいですか?
毎日でなくても大丈夫です。短時間・楽しい範囲で行いましょう。
運動を継続するためには、楽しいという感覚が大切です。
Q3. 平均台が苦手なままでも問題ありませんか?
問題ありません。無理に克服させる必要はありません。
大人になって平均台にのることあります?ないです。
しかし、バランス感覚は一生涯必要になります。
平均台がなぜ渡れないのか?恐怖心?足の感覚?体幹?前庭感覚?
平均台からその子の苦手を分析して、違う場面に応用していく必要はあると思います。
Q4. 市販の平均台との違いは?
高さ・硬さ・安全性が大きく異なります。家庭では手作りの方が適している場合が多いです。
まとめ|「怖くない」「できた!」が子どもの土台を育てる
平均台遊びは、バランス練習だけでなく、自信と自己肯定感を育てる大切な経験です。
プールスティックを使った手作り平均台なら、子どものペースに合わせて、安心できる環境からスタートできます。
「できない」ではなく「今はここまでできた」。
その積み重ねが、子どものからだと心の土台をしっかり育ててくれます。
参考文献
発達が気になる子の感覚統合遊び 楽しく即実践!「困った」が減る
