跳び箱を上手に跳ぶコツを解説!

運動種目

跳び箱は、かけっこやボール遊びとは違い、「できる」「できない」がはっきり分かる運動です。そのため、失敗が続くと運動に苦手意識を持ってしまうお子さんも多い です。しかし、跳び箱が跳べない原因を理解し、適切な練習をすれば、誰でもスムーズに跳べるようになります!

この記事では、理学療法士の視点から、跳び箱が跳べない理由と、家庭でできる効果的な練習方法を解説 します。
お子さんの「できた!」を増やし、自信をつけるサポートをしていきましょう!

そもそもなぜ、跳び箱をするの?

跳び箱は、ただ「跳ぶ」だけではなく、さまざまな運動の基礎になる大切な力を身につけるため に行われます。

① 距離感を測る力をつける

跳び箱を跳ぶには、「助走」「踏み切り」「着地」の距離感を把握することが重要です。これは、日常生活でも障害物を避けたり、転ばないようにするための重要なスキル になります。

② 手で身体を支える力をつける

跳び箱では、両手をついて体を持ち上げる動作が必要です。
これは、転倒時に手をついてケガを防ぐための動きにもつながります。

③ 身体を連動的に使う練習になる

跳び箱は「走る」「ジャンプする」「手をつく」「着地する」といった複数の動きを組み合わせる運動です。体の使い方を覚えることで、他の運動やスポーツにも役立ちます。

④「できた!」の成功体験を作る

跳び箱は、自分の力でチャレンジし、成功を実感できる運動です。
「できた!」という達成感を得ることで、運動への自信につながります。

跳び箱を跳べない理由は4つ!

① 跳び箱への恐怖心がある

跳び箱を跳ぶとき、「怖い」と感じる子どもは多い です。
特に、失敗した経験 があると、「またできなかったらどうしよう…」と不安になり、挑戦すること自体が難しくなってしまいます。

こんな様子が見られたら要注意!

  • 助走のスピードが極端に遅い
  • 踏み切る直前で止まってしまう
  • 跳ぶ前に不安そうな表情をする


② 手で身体を支える筋力が足りない

跳び箱を跳ぶには、手をついた瞬間に 体をしっかり支える力 が必要です。
腕の力が足りないと、支えきれずに姿勢が崩れ、跳び越えることができません。

また、「手に体重を乗せる感覚」 がわからないと、体が後ろに戻ってしまうこともあります。

こんな様子が見られたら要注意!

  • 手をついた後、跳び箱の上で止まってしまう
  • 体を支えられずに後ろに倒れる
  • 手をつくのを怖がる


③ 助走のスピードが出ない

跳び箱を跳ぶためには、助走の勢いがとても大切 です。
助走のスピードが足りないと、踏み切りの勢いがつかず、跳び箱を越えられません。

助走がうまくできない原因は、
恐怖心があり、スピードを抑えてしまう
「いつ踏み切るか」のタイミングがつかめない
という 動作の流れのイメージ不足 にあります。

こんな様子が見られたら要注意!

  • ゆっくり走りすぎてしまう
  • 踏み切る位置がバラバラ
  • 助走とジャンプの切り替えがぎこちない


④ 踏み切り(ロイター板)をうまく使えない

ロイター板(踏み切り板)は、助走の勢いを上に変えるためにとても重要なポイントです。
しかし、うまく踏み切れないと、跳び箱の上に乗る勢いがつきません。

また、踏み切る位置がズレると、
手をつく位置もズレてしまう
跳ぶ方向が定まらず、バランスを崩しやすい
といった問題も起こります。

こんな様子が見られたら要注意!

  • ロイター板を踏んでも、うまく跳ねられない
  • 踏み切るタイミングが合わない
  • 体が斜めに傾いてしまう

跳び箱をスムーズに跳ぶために必要な動き

連続した動きをシミュレーションする力

跳び箱を跳ぶには、「走る→ジャンプする→手をつく→足を開く→重心を前に移動する→着地する」 という動きを 流れに沿って一連の動作としてつなげる 必要があります。

しかし、跳ぶ前に止まってしまうお子さんの多くは、次の動きをイメージしづらい という特徴があります。
また、イメージできていても、助走から踏み切りへの動作の切り替え が難しく、「いつ跳ぶべきかわからない」と感じていることが多いです。

改善策:タイミングをつかむ練習をする

  • 助走なしでロイター板を踏み切る練習(踏む感覚をつかむ)
  • 一定のリズムでジャンプする練習(連続ジャンプで動作をつなげる)
  • 動画や鏡を使って、動きを視覚的に理解する

重心移動の感覚をつかむ

跳び箱をスムーズに跳び越えるためには、「手をついたあとに、重心を前に移動すること」 がとても重要です。
この動きがスムーズにできないと、跳び箱の上で止まってしまったり、後ろに倒れてしまったりします。

特に、跳び箱がうまく跳べない子どもは、重心を前に移動させる感覚がわかりづらい ことが多いです。

改善策:重心移動を意識した練習

  • カエル跳び(両手をついて前に進む) → 安定した平面で重心移動の感覚を身につける
  • 低い椅子を使った前方移動 → 椅子をまたぎ、両手を前方につきながら体重を前に移動させる練習

両手でしっかり身体を支える力

跳び箱を跳ぶ際、腕の力が弱いと、手をついた瞬間に姿勢が崩れてしまい、スムーズに跳び越えられません。

跳び箱を安定して跳ぶためには、
① 手をしっかり伸ばして支える力
② 体重を両手にかける感覚

が必要になります。

改善策:家庭でできる腕のトレーニング

  • クマ歩き(四つん這いで歩く) → 手に体重を乗せる感覚を養う
  • 手押し車(親が足を持ち上げる) → 体を支える力を強化

まとめ:跳び箱をスムーズに跳ぶために大切なこと

跳び箱は、「できる」「できない」がはっきり分かる運動のため、苦手意識を持ちやすいお子さんもいます。しかし、跳べない原因をしっかり分析し、それぞれに合った練習をすれば、誰でも少しずつ上達できます!
小学校低学年では「跳ぶこと」が目標になりますが、その前の段階として「跳び箱に慣れること」も大切です。
まずは、跳び箱を楽しむことを意識しながら、お子さんのペースに合わせて少しずつ挑戦していきましょう!

家庭でできる簡単な練習から始めて、「できた!」の経験を増やしていけると良いですね😊

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